デリケートゾーンのお悩み相談室

【薬剤師が解説】注目フェムテック商品「ソープsoap」の違いについて

2022.05.19

デリケートゾーンケアの大切さに気付き始める方の増加に伴い、デリケートゾーンを洗うソープのラインナップも数多く登場しています。今回の記事では、デリケートゾーンの正しい洗い方と、デリケートゾーン環境に適した3種類のソープについて紹介します。

 

デリケートゾーンは意外と洗えていない人が多い

きちんと洗っているつもりでも、意外と洗えていないのがデリケートゾーンです。では、その理由はどのような点にあるのでしょうか。デリケートゾーンを洗えていない理由や、きちんと洗わないことで起こりやすくなるトラブルについて紹介しています。

デリケートゾーンが洗えていないその理由とは

デリケートゾーンがあまり洗えていない理由としてまず挙げられるのは、日本人のデリケートゾーンケアに対する意識の低さです。
欧米をはじめとする海外では、幼少期からデリケートゾーンの洗い方やケア方法についての教育を受けているといいますが、日本ではそのような教育は行われていません。
それどころか、デリケートゾーンに関する話題を口にすること自体がタブー視される傾向にあります。そのため、ますますデリケートゾーンケアへの関心が薄れ、よく洗えていなくても気にしない生活が続くことになるのです。
そしてもうひとつの理由は、女性のデリケートゾーンは特に複雑な構造をしており、丁寧に洗わないと汚れが残る可能性があるということです。大陰唇や小陰唇をはじめ、凸凹していて溝に垢が溜まりやすい構造をしています。
しかし、デリケートゾーンをしっかりと洗わずに過ごしていると、以下で紹介するトラブルが起こりやすくなるため、毎日丁寧に洗う必要があります。

デリケートゾーンに汚れが残っているとこんなトラブルが!

デリケートゾーンが洗えていないと、ニオイやかゆみが出やすくなることがあります。
また、汚れが溜まった不潔な状態のままでいると、免疫力低下や感染症のリスクが高まります。
ここで、「では、どうすればいいの?」という話になりますが、その対策として役立つのは、デリケートゾーン向けにつくられたソープで優しく丁寧に洗うということです。

 

デリケートゾーンの正しい洗い方

膣の中は洗わなくても良い

まず、デリケートゾーンの汚れをきれいに落とそうと考えたときに感じる疑問として、「膣の中まで洗わないといけないの?」という点なのではないでしょうか。
この疑問に対する結論から言うと、膣の内部まで洗う必要はありません。
それは、膣内部には常在菌による自浄作用が備わっているからで、洗浄成分で常在菌を洗い流してしまうと、せっかくの自浄作用までなくすことになるからです。
デリケートゾーンを洗う際には、膣まわりを指で丁寧に洗いましょう。

ゴシゴシ洗いはNG

ナイロンタオルを使用して体を洗うと、汚れをきれいに取り除けそうな気がするため、使用している方は多いことでしょう。 しかし、ナイロンタオルを使ってデリケートゾーンをゴシゴシ洗うと、皮膚が薄いデリケートゾーンが余分な刺激を受けて、かえって色素沈着や皮膚を傷付けるリスクが高まります。 そうならないためにも、デリケートゾーンは「指で優しく洗う」が基本だということを頭に入れておいてください。

 

ピックアップ3商品を紹介

ここでは、デリケートゾーン向けのソープを3商品紹介します。それぞれ、特徴や価格帯、配合成分が異なります。特に成分や使用感については、お肌に合う、合わないがありますので、よく確認してから使用を検討してみてください。

 

1.【Tant RUX】タントリュクスソープ デリケートゾーンお手入れソープ 200ml/5,500円

汚れを落としながら保湿も叶えるデリケートゾーン環境に適したソープです。泡タイプで毎日1分間のリュクスタイム(ウォッシングパック)として使用することもできます。ポンプ式で泡立て不用、肌に優しい設計のためデリケートゾーン以外のお肌にも使えます。
気になるニオイや古い角質によるくすみケアにも役立つだけでなく、優しいアロマの香りで癒し効果も得られるという特徴もあります。
セラミドと似た成分である、アミノ酸系洗浄成分「ジラウロイルグルタミン酸リシンNa」を配合した商品で、お肌のうるおいはそのままに、汚れだけをしっかり落とせます。
また、厳選された天然オイルを使用しているため、洗い上がりのお肌がしっとりと潤い、乾燥で悩まされる心配もありません。また、製品は肌と同じ弱酸性設計になっているため、繊細な部分へも安心して使用できます。
数種類のアロマ成分が配合されているためアロマの香りが苦手な方へは、不向きかもしれません。
(参考:https://tantrux.jp/product/soap.html

 

2.【持田ヘルスケア】コラージュフルフル泡石鹼 150ml/1,980円、300ml/2,530円

医薬品メーカーが開発・販売しているデリケートゾーン用ソープで、抗菌成分・ミコナゾール硝酸塩と殺菌成分を配合しているため、嫌なニオイの発生やかゆみなどのトラブル対策として役立ちます。
なお、ミコナゾール硝酸塩はカンジダ膣炎治療薬にも配合されている成分であるため、カンジダ膣炎の予防対策としても役立つでしょう。
ただし、保湿成分はほとんど配合されていないため、洗い上がりはややお肌が乾燥する可能性があります。そのような理由から、この商品を使用するなら、生理中のニオイ対策として使用すると良いでしょう。
泡タイプでそのまま使うことができ、擦らずに汚れを落とすことができます。また、比較的安価に入手できるため、生理時の対策用として用意しておくと便利でしょう。
(参考:https://karadanokabi.jp/

 

3.【株式会社ナチュラルプランツ】ジャムウハーバルソープ 1個/2,126円

石けん素地を洗浄成分として配合した固形タイプのソープです。

また、防臭作用があるミョウバンも配合されているため、特にデリケートゾーンのニオイ対策に役立つ商品だといえるでしょう。
また、カミツレ花油、アロエベラエキス、オタネニンジンエキス、植物性スクワラン、天草エキスが保湿成分として配合されていますので、洗い上がりのツッパリ感がありません。


ニオイのもとや古い角質をキレイに洗い流しケアする商品ですが、どちらかというとニオイ対策に特化した商品という印象です。
また、固形タイプなので、使用時には泡立てが必要です。泡立てが面倒な方には不向きかもしれません。
この製品は、毎日の使用というよりは、パートナーとのスキンシップ前のニオイ対策として用意しておくと便利でしょう。

 

まとめ

今回は、デリケートゾーンが意外と洗えていない理由やデリケートゾーンの正しい洗い方、そして、3種類のソープを紹介しました。
デリケートゾーンの汚れをきちんと落としておかないと、ニオイやかゆみだけではなく、感染症や免疫力低下のリスクが高まるといわれています。
つまり、毎日しっかりと汚れを落とすことが大切ということです。
とはいえ、デリケートゾーンは皮膚が薄く、文字通りデリケートな場所ですので、できるだけデリケートゾーン環境に適した弱酸性ソープを使用して優しく洗い、清潔な状態を保つように心がけてくださいね。

監修 薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師

中田 早苗

薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格

薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー

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監修

薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室

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薬剤師/腸活・膣ケアサポート
・ファスティング講師
中田 早苗

経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー